日帰り大腸ポリープ手術
日帰り大腸ポリープ手術

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできるイボ状の隆起の総称です。最も多いのは「腺腫」と呼ばれるポリープで、そのほかにも鋸歯状ポリープや過誤腫性ポリープなど、さまざまな種類があります。大腸ポリープは放置すると一部が大腸がんへ進行することがあります。実際に、大腸がんの多くは、このようなポリープが徐々にがん化することで発生すると考えられています。
大腸ポリープは、小さいうちはほとんど自覚症状がありません。そのため、大腸カメラ検査で早期に発見し、その場で切除することが、大腸がんの予防につながります。当院では、検査中に切除可能と判断したポリープは、原則としてその場で切除を行い、患者様の負担を最小限に抑えています。
大腸ポリープは、時間の経過とともに一部にがん細胞が発生し、数年かけて徐々に大腸がんへ進行すると考えられています。初期のがんはポリープの中にとどまっていますが、進行すると腸の壁の深い部分へ広がり、さらに周囲の臓器へ浸潤したり、リンパ節や肝臓、肺などへ転移したりすることがあります。
一方で、がんがポリープ内や粘膜の浅い層にとどまっている段階であれば、内視鏡による切除で完治が期待できます。そのため、大きくなる前に大腸ポリープを発見・切除することが、大腸がんの予防や早期治療につながります。大腸ポリープは自覚症状がほとんどないため、定期的に大腸カメラ検査を受け、早期発見・早期治療につなげることが大切です。
当院では、小さいポリープから大きめのポリープまで、可能な限り当日に切除することを心がけております。「また別の日に手術のために来てください」と言われると、もう一度下剤を飲んで腸をきれいにして…という準備がまた必要になります。当院では検査と切除を同じ日に行えるため、患者様の身体的・時間的な負担を減らすことができます。
ポリープの切除には、従来から「電気を流しながら焼き切る方法」が使われてきました。この方法はどれだけ丁寧に行っても、1〜2%程度の「後出血(後日、切除した部分から出血する)」のリスクがあります。以下のような場合は、より安全に治療するために入院設備のある連携病院をご紹介することがあります。
ポリープの形・大きさ・状態に応じて、最適な切除方法を選びます。
切除したポリープや疑わしい病変は、病理検査を行ってがん細胞が含まれているかどうか診断します。

内視鏡の先端から「スネア」と呼ばれる細い輪状の器具を出し、ポリープの根元にかけて締めた後、高周波電流を流して切除します。
切除と同時に血管が焼灼されるため、多くの場合は出血を抑えながら安全に切除することができます。

コールドポリペクトミーは、スネアをポリープの根元にかけて切除する点は通常のポリペクトミーと同じですが、高周波電流を使用せず、そのままポリープを切除する方法です。電気を使用しないため、熱による大腸の壁へのダメージが少なく、術後の遅発性出血や穿孔のリスクを低減できることが大きな特徴です。そのため、小さな腫瘍性ポリープに対する標準的な治療法として広く行われています。
当院でも通常はこの手法を用いてポリープ切除を行います。

茎のない平坦なポリープや、一部の早期大腸がんでは、そのままではスネアをかけにくいことがあります。EMRでは、病変の下にある粘膜下層へ生理食塩水などを注入し、病変を持ち上げてから、スネアをかけて高周波電流で切除します。病変と大腸の壁の深い部分との間にクッションをつくることで、平坦な病変でも切除しやすくなり、熱による周囲組織への影響を抑えることができます。主に、平坦な大腸ポリープや、粘膜内にとどまる早期大腸がんなどに対して行われる治療法です。病変の大きさや形、深さなどを確認したうえで、適切な切除方法を選択します。
大腸カメラ検査で行うポリープ切除は日帰りで受けられる治療ですが、手術の一種であるため、事前に治療内容をご説明し、同意書にご署名をいただいております。切除した部分には小さな傷が残るため、十分な止血処置を行っていても、ごくまれに術後の合併症が起こることがあります。腸に穴が開く「穿孔」や腹膜炎は約0.04%、術後2週間以内の出血は約0.6%と報告されています。
このような合併症を予防するため、ポリープ切除後は約2週間、飲酒や激しい運動、重い物を持つ作業、長時間の入浴や旅行など、日常生活の一部に制限があります。安心して回復していただくためにも、医師の指示に従ってお過ごしください。なお、行動制限の期間は、切除したポリープの大きさや数、切除方法などによって異なります。上記はあくまで目安であり、詳しい注意事項については検査・治療後に医師よりご説明いたします。
ポリープを切除した部分は、術後しばらく傷が完全には治っていない状態です。傷口を安定して治癒させるため、当日はできるだけ安静にお過ごしください。
身体が温まることで出血しやすくなることがあるため、当日は入浴・シャワーを控えてください。翌日以降も、熱いお湯での長時間の入浴は避け、短時間のシャワーや軽い入浴程度にしてください。
デスクワークなど身体への負担が少ない業務であれば翌日から再開できる場合もありますが、仕事内容によって異なりますので、医師の指示に従ってください。
手術当日から翌日までは、おかゆやうどんなど消化の良いものを中心にお召し上がりください。その後も約1週間は、脂っこい食事や香辛料など刺激の強い食品は控え、消化の良い食事を心がけましょう。安全に傷を治し、術後の出血を予防するためにも、医師からお伝えする生活上の注意事項を守ってお過ごしください。
重い物を持つ作業や力仕事など、お腹に力が入る動作は約2週間控えてください。また、ジョギング、テニス、ゴルフ、水泳などの激しい運動や、自転車での長距離走行、30分以上のウォーキングなども2週間程度は避けるようにしてください。
食事は術後約1週間を目安に通常の内容へ戻していただけますが、飲酒は出血のリスクを高める可能性があるため、10日~2週間程度はお控えください。
旅行や出張、長時間の移動は、万が一出血などの合併症が起こった際に適切な対応が難しくなるため、約2週間はお控えいただくことをおすすめします。特に遠方への旅行や飛行機での移動を予定されている方は、事前に医師へご相談ください。
切除後に以下のような症状があれば、すぐに当院または救急へご連絡ください。
切除後しばらく(数日〜1週間程度)は後出血が起こる可能性があります。無理をせず、体に異変を感じたら早めにご相談ください。
大腸ポリープは、自覚症状がほとんどありません。「お腹は何ともないから大丈夫」と思っていても、気づかないうちにポリープができていることがあります。一度ポリープを切除した方は、再発する可能性があるため、定期的な大腸カメラ検査を続けることが大切です。40歳を過ぎたら、症状がなくても一度大腸カメラを受けてみることをおすすめします。早期発見・早期治療が、大腸がんから身を守る最大の備えです。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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