ピロリ菌検査・除菌
ピロリ菌検査・除菌

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜に生息する細菌です。胃の中は強い酸性(胃酸)のため、細菌が生きられない環境とされてきましたが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を分泌してアンモニアを作り出し、胃酸を中和することで胃の中でも生息することができます。ピロリ菌に感染すると、慢性的な胃の炎症(慢性胃炎)が起こり、長期間にわたって胃の粘膜にダメージを与え続けます。その結果、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、さらには胃がんへと進展する可能性があることが知られています。日本ヘリコバクター学会の「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版」でも、ピロリ菌の除菌が胃がんリスクの低減に寄与するとされています。
感染率は年代によって異なり、衛生環境が整っていなかった時代に幼少期を過ごした中高年層で高い傾向があります。ピロリ菌感染は自覚症状のないまま進行することが多く、気づかないうちに胃の粘膜にダメージが蓄積されていることがあるため、胃カメラ検査による早期発見が大切です。
ピロリ菌は感染していても自覚症状がないことも多いですが、以下のような症状や状況に当てはまる方は、一度検査を受けられることをおすすめします。
これらに当てはまらない方でも、40歳以上でこれまで一度もピロリ菌検査を受けたことがない場合は、念のため検査を受けることをご検討ください。
ピロリ菌は主に幼少期(5歳以下)に感染すると考えられており、成人になってから感染するケースはまれとされています。感染経路として有力とされているのは、口から口への感染(経口感染)です。衛生環境が整っていなかった時代では、井戸水や川の水など、除菌されていない水を介した感染(経水感染)も多かったとされています。現在の日本では上水道の整備が進んでいるため、新たな感染は減少傾向にありますが、中高年以上の世代では感染率が依然として高い状況です。大人から子どもへの感染(食事の口移しや食器の共有など)が起こる可能性もあるとされていますので、感染が判明した際は家族全員で検査を受けることをご検討ください。
ピロリ菌は感染すると慢性胃炎を引き起こし、放置することで以下のような疾患へ進展する可能性があります。
ピロリ菌感染は胃がんの主要な原因のひとつとされており、感染者は非感染者と比べて胃がんが発生しやすいことが報告されています。ピロリ菌を除菌することで、胃がんの発生リスクを低下させる効果が期待されていますが、除菌後も胃がんが発生する可能性があるため、定期的な胃カメラによる検診を継続することが重要です。
ピロリ菌が胃の粘膜に長期間炎症を起こし続けることで、胃の粘膜が薄くなっていく「萎縮性胃炎」が起こることがあります。萎縮性胃炎は胃がんのリスク因子のひとつとして知られています。
ピロリ菌の感染により胃の粘膜が傷つき、潰瘍(粘膜が深くえぐれた状態)が生じることがあります。胃痛やみぞおちの痛みが主な症状で、出血を伴う場合もあります。ピロリ菌を除菌することで、潰瘍の再発リスクを下げることが期待されます。
ピロリ菌の検査は、大きく「内視鏡を使う方法」と「内視鏡を使わない方法」に分けられます。
胃カメラ検査の際に胃の粘膜を少量採取し、ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素の有無を調べます。
採取した粘膜を染色して顕微鏡で観察し、ピロリ菌の有無を確認します。
採取した粘膜を培養してピロリ菌を検出します。
特殊な薬を飲んでいただき、呼気(吐き出した息)を採取して感染の有無を調べます。身体への負担が少なく、精度の高い検査です。
血液や尿中のピロリ菌に対する抗体を調べます。
便の中のピロリ菌の成分(抗原)を調べます。
※胃カメラ検査を行わない場合、保険適応になりません。内視鏡を用いない検査のみで除菌治療を行う場合、治療・除菌判定検査も含めてすべて自費診療となります。当院では患者様の状況や症状に応じて、適切な検査方法をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
ピロリ菌の除菌治療は、保険診療として受けていただけます。ただし、保険適用となるためには、原則として胃カメラ検査でピロリ菌感染を疑う疾患(慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など)が確認されていることが必要です。
抗菌薬2種類と胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬など)の計3種類を、1日2回・7日間服用していただきます。1次除菌の成功率は70〜80%程度とされています。
除菌治療終了から4〜6週間以上経過した後に、除菌が成功したかどうかを確認する検査(主に尿素呼気試験)を行います。
1次除菌が成功しなかった場合は、抗菌薬の種類を変えた2次除菌を行います。1次除菌と2次除菌を合わせた成功率は90%以上とされています。
ピロリ菌の除菌治療では、副作用として下痢や軟便が10~30%程度の方にみられます。そのほか、吐き気や味覚異常が2~5%程度、皮膚の発疹が1~2%程度の方にみられることがあります。
下痢や軟便、吐き気、味覚異常などは、服薬中に一時的にみられることが多く、除菌治療が終了すると自然に改善することがほとんどです。ただし、症状が強い場合や治療終了後も不快な症状が続く場合には、お気軽にご相談ください。また、皮膚の発疹などアレルギーが疑われる症状が現れた場合には、服薬を中止して速やかに医療機関へご相談ください。
ピロリ菌の除菌治療に成功すると、胃の炎症は徐々に改善していきます。しかし、長期間のピロリ菌感染によって生じた萎縮性胃炎や腸上皮化生(胃の粘膜が腸の粘膜に似た状態へ変化すること)は、除菌後も長期間残ることがあります。そのため、ピロリ菌を除菌しても胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。
特に萎縮性胃炎が認められる方は、除菌後も胃がんの早期発見のため、年に1回の胃カメラ検査を受けることをおすすめします。胃の検査にはバリウム検査もありますが、バリウム検査で異常を指摘された場合には、詳しく調べるために改めて胃カメラ検査が必要になります。また、胃カメラでは胃の粘膜を直接観察でき、気になる部分があればその場で組織検査を行うこともできます。そのため、ピロリ菌除菌後の定期的な検査には、最初から胃カメラを受けることをおすすめしています。
胃がんは早期に発見できれば、病変によっては外科手術を行わず、内視鏡治療で根治を目指すことができます。除菌治療が終わった後も、年に1回の胃カメラ検査を継続し、胃の状態を定期的に確認していくことが大切です。
当院は、登戸駅徒歩4分・向ヶ丘遊園駅徒歩2分の場所にある内科・消化器内科・内視鏡内科のクリニックです。消化器内視鏡専門医・消化器病専門医・胃腸科専門医・内科専門医の資格を持つ医師が、ピロリ菌検査から除菌治療、除菌後の定期的な胃カメラ検査まで一貫して対応します。
「胃の不調が気になっている」「健診でピロリ菌陽性と言われた」「除菌後の経過確認をしていない」など、どのような状況でもお気軽にご相談ください。登戸・向ヶ丘遊園・多摩区・狛江市周辺にお住まいの方のご来院をお待ちしております。土曜日の診察も行っておりますので、平日はお仕事で通院が難しい方にもご利用いただけます。また、クリニック周辺に大型パーキングが複数あり、受診時には駐車料金の補助もございます。
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